最近よく見かけるダブルフェイス生地のリバーシブルコート。
冬らしくて、ほっこりかわいくて、素敵ですよね。
そういえばリバーシブルコート・ダブルフェイス生地ってどうやって縫ってあるの?ということで、3連休を使ってダブルフェイスのコートを作ってみました。
今回は、ダブルフェイス(ツーフェイス・リバーシブル・2重織)生地について、縫い方、扱い方などまとめます。
ダブルフェイス生地とは?
ダブルフェイス生地とは、2枚の生地を合わせて1枚にしてある生地のことです。そのため両面を表として使用することができ、”リバーシブル”のお洋服を仕立てることができます。
生地屋さんでは、”ダブルファイス”の他にも、”ツーフェイス”・”リバーシブル”・”2重織”などと記載されて販売されていることがあります。
ダブルフェイス生地の作りは2種類あって、1つは2枚の生地が縫い合わせてある構造のもの、つまり”2重織”のもの。そしてもう1つは2枚の生地が接着してある構造のものです。
前者の”2重織”なのか、接着してあるタイプなのかを見分けたい場合は、生地の素材をチェックすると分かります。
2重織の場合は、綿・絹・レーヨンなどの糸で2枚の生地を縫い合わせてあるので、生地の材質表示を見ると、綿・絹・レーヨンなどの糸の素材が3〜6%くらい含まれているはずです。
以上の理由で、”ダブルフェイス” = ”ツーフェイス” ですが、必ずしも”ダブルフェイス” = ”リバーシブル” ではありません。また必ずしも”ダブルフェイス” = ”2重織”でもありませんので、生地を購入する際には注意が必要です。
ダブルフェイス生地(2重織)って実際どうなっているの?
さて、実際に2重織構造のダブルフェイス生地を購入して、どうなっているのか観察してみました。
一見1枚の生地なのですが、上の写真のように、端からペリッとはがすことができます。
面白い!!
はがしてみると確かに白い糸で縫い合わされているのがわかりますね。
私が購入したこの2重織の生地は、生地の縦方向に糸が走っていて、2枚の生地を縫い合わせてありました。また、糸と糸の間は2㎜くらいでした。
どうやって縫うの?
リバーシブルのお洋服として仕立てる場合の縫い方はいくつかあります。
まずは折り伏せ縫いで処理する方法、バイアステープでくるむ方法です。2重織の生地に限らず一般的に使えますし、ミシンでダーッと縫えるので、スピーディーな縫い方です。
一方、2重織のダブルフェイス特有の縫い方も!私の知る限り3種類あるので、ご紹介します。
この縫い方の場合、下準備が必要になります。
まずは下準備
3種類の縫い方に共通するのが、独特の下準備。縫う前にまず、縫い代の2倍分だけ、生地と生地をはがします。例えば縫い代が1㎝なら、2㎝だけ2枚の生地をはがします。
(※ 今回私は縫い代1㎝で作りましたが、縫い代0.75㎝、はがす幅は1.5㎝くらいの方が、出来上りが美しいと思います。)
私が参考にした洋裁本には、生地をはがすために、「糸と糸をカットします」と記載されていました。
が、、これがめっちゃくちゃ大変!!!
上に記載した通り、2㎜幅くらいで、生地全体を縫い合わせてある訳ですので、この糸をカットしていくとなると、ものすごーい作業量。冗談抜きで日が暮れます(笑)
特に私は膝下丈のコートを作っていたので、もう大変!!!
作業途中で得とくしたコツは、”糸をカットしていく”、というよりは、”糸を抜いていく”こと。
生地の縦方向に向かって縫い合わせてある訳なので、例えば肩のラインのような生地の横方向に向かってカットしてある場所であれば、生地と生地を反対方向に引っ張れば、すすっと糸が抜けていきます。(上の写真)
そして生地の縦方向に向かってカットしてある場所は、手前の糸からピーッと引っ張って抜いていきます。上の写真みたいな感じで、一番手前の糸をひっぱると、、
下の方まで糸がスルっと抜けます。これを10回くらい繰り返せば、2㎝分くらい生地がはがれます。
ただしくれぐれも生地を伸ばさないように、そして縫い代の2倍以上に生地と生地をはがしてしまわないように気をつけながら、、、ですが。
この方法、邪道かもしれませんが、「この糸カットは、もう無理だーー><」と思われた方は、是非試してみてください!笑
そして糸カットが終わったら、適宜伸び止めテープを貼ってくださいね。
下準備が終わったらようやく縫う作業になります。
1・襟ぐり・ベルトなどの縫い方
1つ目の縫い方として、襟ぐりやベルトなど、お洋服の端になる場所の生地の縫い方について。
上の写真が出来上り時の生地の断面図になります。(表・裏は”リバーシブル”にするのでどちらでもいいのですが、便宜的に記載しています。)
はがした表裏の生地を、それぞれ内側に折り込んで合わせます。
これを合わせてまつり縫いします。
2・肩や見頃などの縫い合わせ方A
肩ラインや前後の見頃などを縫い合わせる方法Aです。後述する方法Bと比べると、生地の厚みが薄くなります。
まず、内側の生地同士をミシンで縫い合わせます。
縫い合わせたら、縫い代を割って、出来上り線で突き合わせます。
まずは下側の生地を折り曲げて、出来上り線に。↓
上側も同様にすると、出来上り線で付け合わせることができます。
その後、手縫いでまつり縫いをすれば完成です。
3・肩や見頃などの縫い合わせ方B
肩ラインや前後の見頃などを縫い合わせる方法Bです。市販のダブルフェイスコートは、この方法で仕立ててあることが多いようです。
使用する生地の厚みや出来上りイメージによって使い分けると良いと思います。
まずはAと同様に、内側の生地をミシンで縫い合わせます。
(内側の生地2枚をミシンで縫い合わせてもいいですし、内側の生地+前側の表側の生地の3枚を縫い合わせてもいいようです。)
次に後ろ側に縫い代を倒します。
後ろ側の余っている布端を折って上に重ねます。
最後に手縫いで縫い付けたら完成です。
まとめ・おわり
いかがでしたでしょうか。
私はダブルフェイス生地を使ったお洋服を始めて作ったのですが、もう楽しくて、もくもくと作業してしまいました。
「作業量が多くて、もう、ほんとうに大変!!(褒め言葉)」なんて言いながら、ひたすらチクチク。
こんなに手のこんだ作業をして、楽しくて、あー幸せだなーって思ってニヤニヤしちゃうなんて、ある意味変態だなーなんて思いながら、、、笑
次回は実際に作ったコートをご紹介したいと思います。
始めてだったので反省点もたくさん、、、。
よかったらまた見にきてくださいね!
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